海外ポスドクの薦め

海外ポスドク研究生活の意義、心構え、注意点、日本と海外の研究スタイルの違いなどについて、体験を元にまとめました。Molecular Science Vol1, No.1 A0014 (2007) に発表した記事「アメリカポスドク研究生活」を元に大幅に加筆したものです。

はじめに

私は修士博士課程を東京大学濵口研究室に在籍し、その後5年間Shaul Mukamel研究室でポスドクとして研究生活を送っている(2007年当時)。当初2年間程度の滞在を考えていたが、非線形赤外分光の計算に関連したプロジェクトが広がりを見せて面白くなってきたこと、アメリカ生活自体大変気に入っているなどの理由から結果的に長く滞在することとなった。最初の一年は研究室がロチェスター大学(University of Rochester)にあり、その後カリフォルニア大学アーバイン校 (University of California, Irvine)に移っている。

ポスドク研究者として海外に滞在することで日本では得難い経験をすることができ、日米の研究スタイルの違い、文化的な差異、アメリカで研究することの意義などについてより深く理解できた。アメリカでのポスドク研究生活について実体験を踏まえて紹介することで、将来アメリカなど海外でのポスドクを考えている若手研究者はもちろん、海外での短期滞在を考えている研究者にとっても参考になれば幸いです。